夕方になると各家庭からカレーや焼き魚、煮物などの臭いがふわっと近所に漂い、そろそろ夕飯の支度時間だな、とお母さんたちは慌てて準備をはじめました。
夕日が沈みかける前、街中に響く豆腐屋さんのラッパの音。
なぜ豆腐だけがあんな風に売られていたのか今思うと不思議ですが、それほど私たちの食習慣には豆腐の消費量が多いということかもしれませんね。
大きな木箱を自転車の後ろにくくりつけ、売っているものは豆腐や油揚げ、たまに納豆も。
家から持っていたどんぶりやボールに豆腐を入れてもらい、すぐに夕飯のメニューになったという仕組みです。
昭和は個人経営の豆腐屋さんがあちこちにあり、浴槽みたいな大きなところに豆腐が浮かんでいました。
お母さんと買い物に行くたび、一度あのなかに入ってみたい!と思ったのは私だけでしょうか。
夏の冷ややっこ、冬の湯豆腐、豆腐は健康食品なんて言われなくても、昭和の食習慣には必ず登場していましたよね。
豆腐が食べたいけどスーパーにわざわざ行くの面倒、そんなときにあのラッパの音が恋しくなります。
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