1980年代、女優として華々しく活躍していた小泉今日子さん。
その儚げな美しさは、歌手としても光を放っていましたよね。
小泉今日子さんの歌ったシングルは、「T字路」を最後に42枚。
その中で列挙したいのが、20枚目「木枯しに抱かれて」なのです。
作詞・作曲を手がけたのは、THE ALFEEの高見沢俊彦さん。
情緒あふれる詞とメロディーラインとは、しっかりと調和しているように感じます。
1986年にリリースされました「木枯しに抱かれて」。
同時期の映画「ボクの女に手を出すな」の主題歌にもなりました。
この映画では、小泉今日子さん自身が主演を務めています。
曲の序盤で蘇るは、「あなた」と出逢ったときの記憶。
「あなた」を見つめるたび、今でも女性の心に想い返されるのでしょう。
“泣かないで恋心よ”という歌詞は、何度聴いても胸が詰まります。
自分自身が片想いで苦しくても、恋心をいたわれる優しさなのでしょうか。
あるいは、片想いを続けてきた中で、自らの恋心を客観視しているのか。
考えれば考えるほど、深いものかもしれません。
2番を終えて始まる“恋人達はいつか―”のフレーズ。
リズムやピッチが安定しているこの曲ですが、ここから大きく曲調が変化します。
そうしてメジャーコードに切り替わったかと思えば、すっとマイナーコードに還るのです。
小泉今日子さんことキョンキョンは、清楚で物いう花といったイメージ。
この曲の哀愁を最大限に引き出せたのは、彼女だからこそなのです。
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